ブックタイトルMedetta! Vol.27 WINTER 2019
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Medetta! Vol.27 WINTER 2019
使われている古材、什器、インテリアなどほとんど知り会いのツテでゆずりうけたもの。改修も仲間や五味醤油と協力して作りあげた。2014 年にオープンした甲府駅北口のAKITO COFFEE。甲府のコーヒーカルチャーを発信するお店のひとつとして、県内外の人たちに親しまれるコーヒースタンド、ロースターである。人々に愛されるAKITO COFFEE の豆が焼かれているのがこの場所。店主である丹澤亜希斗さんはかつて店舗販売用や卸し売りをするための豆の自家焙煎を、既存の店舗内で行っていた。2018 年、大きな焙煎機を導入したが、導入に至る前に設置する場所を探していた。その際に声をかけてくれたのが、家業の味噌づくりを継承し、独自のアイデアとセンスでアップデートしながら“手前みそ” の食文化を発信している五味醤油の6 代目五味仁さん。使われていない醤油蔵の活用を模索していた。ちょうどよいタイミングで場所が見つかり、改修ののち、かつての醤油蔵は新たに芽の出る場所「Tane」と名付けられ生まれ変わった。焙煎所としての稼働が開始。豆の焙煎量が増えただけでなく、さらに味を磨き安定した焙煎を行うことが可能に。焙煎所の稼働から1 年後の今年6 月、AKITO COFFEE の焙煎所兼直営のカフェとしてオープン。店舗に出すお菓子の製造も専任のスタッフによってここで行われている。焙煎機の前に立ち、焼かれる豆を見つめる目は真剣そのもの。カップを並べ、入念に焼いた豆で淹れたコーヒーのクオリティチェックをスタッフと行う。お店を一人でオープンした当初は、今の状況を想像もしていなかったと亜希斗さんは語る。気づけば、サポートしてくれる仲間ができ、AKITO COFFEE はチームになった。店を訪れ、コーヒーショップの開店を志し働きたいと言ってくれる若者、おいしいコーヒーを求める人、そういった声を多く聞いてきた亜希斗さんは、自分のできることで“好き” が仕事になる環境を提供したいという。「好きなことを突き詰めていたらこうなっていた」とにこやかに話す亜希斗さん。屈託の無い笑顔に、まるで少年マンガのようなストーリーを地で行く主人公感が漂う。コーヒーを通じて蒔かれた種は、これからもさまざまなかたちで広がって芽吹いていくだろう。AKITO COFFEE @Tanenameロースター07concept★ ★ ★ K o f u c i t yM E D E T T A I S S U E68