ブックタイトルMedetta! Vol.17 2017. Summer 電子版

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概要

Medetta! Vol.17 2017. Summer 電子版

LOVEココロをハダカに本物の表情を撮るために、ハダカのココロを探る。たいていいつものカフェで窓際の席に彼はいる。端正に整った顔立ちは、時に人形のような無機質さを感じさせる。広げられたノートパソコンに大量のステッカーが貼られ、一際目立つのが「アイドル」と書かれたもの。彼の名は「IDOL」。名前の由来は、好きなアイドルの追っかけをしていたことに端を発する。本誌面に使用しているイメージ写真を撮り下ろしてくれた人物だ。つい先日、10日間で10名の女性をインスタントカメラで撮り下ろし、ヌードをテーマに個展を開催。本誌制作の進行中、偶然にも編集テーマと共通する部分があったことから協力をしてもらった。ファッションカルチャーが好きな彼は「IDOL」というインスタグラムのアカウント上で、10,000人以上のフォロワーを持っている。撮ることも撮られることも好きだ。彼にとって写真は楽しみを共有するコミュニケーションツールでもある。ソウルファッションウィークではコレクション会場に集まったモデルたちをスナップ。単焦点レンズでモデルに肉迫した。カメラを隔てておでこを突き合わせているような距離だ。ファッションスナップを撮りに行ったはずなのに、顔面アップのポートレートでフォルダは埋め尽くされた。目は口ほどにモノを言うどころか、その人の全てを物語っていたからだ。顔には魅力も歴史もコンプレックスも、その人の個性が凝縮されている象徴的な部位。「もしかしたら顔を撮ることだってヌード撮影といえるかもしれない」その衝動が帰国後の彼をヌード撮影に向かわせる。「衣服を着ているか着ていないかはあまり関係ない」彼は続けた。モデルごとにシチュエーション、場所、アプローチ法もその場に応じて柔軟にスタイルを変化させる。どこか中性的な魅力が彼にはある。「カメラを向けたときの不自然な表情じゃなくて、油断した一瞬を撮るために工夫をしたよ」信頼する友人や家族、恋人にしか見せないような表情、仕草。モデルから、ましてやプロでない人物から引き出すには、被写体のココロを脱がすことが出来なければ不可能だ。それは撮影の醍醐味でもあった。気づくと彼との話に夢中になり、閉店の時間になっていた。撮影者と被写体。2人にしか分からない関係性。距離感。お互いがココロをハダカにして向き合った瞬間に、本物の表情が浮かび上がる。その瞬間に狙いを定めて、彼はシャッターを切る。彼と話していてほんの少し分かった気がする。ほんのわずかな対話で、どれだけ彼が本当のココロを見せてくれていたのかは分からない。ただ、ファインダーを覗き込むその表情はまるで子どものように無邪気な顔をしていた。アイドル〈IDOL〉Web site www.idolmade.com Instagram https://www.instagram.com/___idol___/32